言葉を定義しておきます。
1次波:B.Sで分離され各反鏡で1度反射して再度統合される光をこう名付けます。すなわちこの実験で想定された光線そのものです。2次波:1次波の一部は再度B.Sを透過して光源側または観測側の凸レンズで一度だけ反射して再度1次波と同じ行程を繰り返し最終的にB.Sで集約されます。これを2次波と名付けておきます。
2次波の特徴
2次反射する面はレンズの曲面部分であると仮定します。2次反射する光線はその面で方向が変化します。1次反射の光線に対し、そのレンズの焦点距離sの半分s/2に光源があるような光線に変化します。さらにこの光線は2回往復しているので、その仮想光源は遠く離れた点に位置します。右図のようなイメージになります。つまり2次波は1次波と違う曲率半径持ち、むしろ平面波に近くなります。
こう書くとニュートンリングを思い出される人もおられるでしょう。 ニュートンリングでは光源同士に距離がなくても曲率半径の違う2種類の光線が中心付近にかたまって環をつくります。
前項までの指摘で等傾角干渉では仮想光源同士に数センチ以上の距離がなければ中心付近で環が見えないことを示しました。もし 1次波と2次波の干渉があり得るなら上記の問題は解消されることになります。さらに3.で述べた0°方向へ移動する場合の基準点のずれの問題も仮想光源同士の距離自体が精度上無視できるほど縮まるので解決できます。
そうなると本来の実験の目的である0°方向と90°方向での縞のずれがこの干渉縞で動かないことが証明できればかなり有力なM.M実験への反論となり得ます。
次の項で干渉縞が動かないことを証明します。
まとめ4.の解説その2に続く
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